石田 亮子RYOKO ISHIDA
Last Updated :2024/09/02
- 所属・職名
- 大学院医系科学研究科(医) 寄附講座准教授
- ホームページ
- メールアドレス
- rishida228hiroshima-u.ac.jp
- その他連絡先
- 〒734-8551 広島市南区霞1-2-3 基礎第2研究棟地域医療システム学
TEL:082-257-5894 FAX:082-257-5895
- 自己紹介
- 臨床医としては、糖尿病内科、総合診療科を専門としています。研究面では、レプチンレセプターシグナリングの研究を日米で行ってきました。
基本情報
主な職歴
- 2014年04月01日, 2015年03月31日, 広島大学病院, 総合内科・総合診療科, 医科研修医
学歴
- 山口大学, 医学部医学科, 日本, 1992年04月01日, 1998年03月
- 長崎大学大学院, 医歯薬研究科, 日本, 2001年04月, 2004年03月
学位
担当主専攻プログラム
研究分野
- 医歯薬学 / 内科系臨床医学 / 内科学一般(含心身医学)
研究キーワード
所属学会
- 日本内科学会
- 日本糖尿病学会
- 日本病院総合診療医学会
- 日本プライマリ・ケア連合学会
- 日本東洋医学会
教育活動
授業担当
- 2024年, 学部専門, セメスター(後期), コミュニケーション学
- 2024年, 学部専門, 通年, 全身性疾患制御学
- 2024年, 学部専門, 集中, 臨床実習I
- 2024年, 学部専門, 2ターム, 衛生行政
- 2024年, 学部専門, 2ターム, 衛生行政
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, セメスター(後期), 総合医療実践学特論
研究活動
学術論文(★は代表的な論文)
- ★, Rapid inhibition of leptin signaling by glucocorticoids in vitro and in vivo., J Biol Chem, 279巻, pp. 19658-19664, 2004
- ★, Phosphorylation of Jak2 on Ser523 Inhibits Jak2-dependent Leptin Receptor Signaling., Mol Cell Biol, 26巻, pp. 4063-4073, 2006
- ★, Insufficiency of Janus kinase 2-autonomous leptin receptor signals for most physiologic leptin actions., Diabetes, 59巻, pp. 782-790, 2010
- 喫煙との関連が疑われた急性好酸球性肺炎の1例, 国立長崎中央病院医学雑誌, 3巻, pp. 54-57, 2000
- 非定型抗精神病薬ブロナンセリンが著効した難治性心因性嘔気の1例, 消化器心身医学, 9巻, pp. 82-86, 2012
- 問診と身体所見を中心とした急性腹症の診断, 日本医事新報, 4795巻, pp. 22-29, 2016
- Five Cases of Familial Mediterranean Fever in Japan: The Relationship with MEFV Mutations, INTERNAL MEDICINE, 57巻, 16号, pp. 2425-2429, 2018
- An Atypical Case of Non-asthmatic Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis Finally Diagnosed by Tissue Biopsy, INTERNAL MEDICINE, 58巻, 6号, pp. 871-875, 2019
- Successful Treatment of Acute Chest Syndrome with Manual Exchange Transfusion in a Patient with Sickle Beta(+)-thalassemia, INTERNAL MEDICINE, 58巻, 11号, pp. 1629-1634, 2019
- Levels of fasting plasma glucose in non-hospitalized older people with high hemoglobin A1c levels., J Diabetes Investig, 11巻, 3号, pp. 750-751, 2020
- Lactobacillus plantarum SN13T cells improve hepatic dysfunction and fecal microbiota: A randomized pilot study., Arch Clin Biomed Res, 4巻, 6号, pp. 605-625, 2020
- The 2018 Japan Floods Increased the Frequency of Yokukansan Prescriptions Among Elderly: A Retrospective Cohort Study, FRONTIERS IN NUTRITION, 8巻, 20220124
著書等出版物
- 2021年08月01日, 調剤と情報2021年8月号, 「特集 漢方ベースキャンプ!プライマリ・ケアでの使いどころを考える」 特集に当たって, じほう, 2021年, その他, その他, 日本語
- 2003年, 看護アセスメントに役立つ検査の読み方, 医学芸術社, 2003年, 教科書, 共著, Japanese, 224-229, 内分泌・代謝機能障害 高尿酸血症・痛風
招待講演、口頭・ポスター発表等
- トリプタン製剤を常用していた「気象病・天気痛」に五苓散が著効した一例, 石田亮子 武生英一郎, 第48回日本東洋医学会中四国支部広島県部会, 2023年02月19日, 通常, 日本語, 日本東洋医学会中四国支部広島県部会, 広島, トリプタン製剤を常用していた「気象病・天気痛」に五苓散が著効した一例
広島大学大学院医系科学研究科地域医療システム学講座・広島大学病院漢方診療センター 石田亮子
広島県環境保健協会 健康クリニック・広島大学病院漢方診療センター 武生英一郎
【症例】59歳 女性。
【主訴】頭痛
【現病歴】何年も前より偏頭痛に対して、ゾルミトリプタン、ロキソプロフェンによる治療をしていた。頭痛は天気に関わらず起こるが、悪天候時にはよく起こり、めまい、嘔気、肩こりを伴っていた。X年4月、常用しているゾルミトリプタンの処方を希望して受診した。
【西洋医学的所見】血圧 124/85 mmHg 脈拍数 85/分。下腿に浮腫なし。
【漢方医学的所見】〈望診〉大柄で骨格がしっかりしている。〈問診〉歩行時にたまにフワッとする感じを自覚する。〈脈診〉沈、実〈舌診〉淡紅色で、薄い白い舌苔に覆われ、著明な歯痕を認める。〈腹診〉腹力充実、圧痛点なし、臍下不仁なし、腹部大動脈拍動は触知せず。
【臨床経過】〈初診〉身体所見では水毒を認め、いわゆる「気象病・天気痛」と考え、五苓散エキス7.5g1日3回を開始した。〈第2診/X年5月〉7週後。悪天候時の嘔気は全くなく、肩こりも改善したが、頭痛は相変わらず週1回の頻度で起こっており、ゾルミトリプタンは7週間で4回(1回1錠)、ロキソプロフェンは1回(1回1錠)内服した。〈第3診/X年6月〉10週後。ゾルミトリプタンは3週間で1回のみ、ロキソプロフェンは内服しなかった。悪天候時の悪心、頭痛は全く起こらず、この頃から患者は五苓散の効果を実感するようになった。〈第4診/X年7月〉15週後。ゾルミトリプタンはこの5週間で2回、ロキソプロフェンは1回内服した。昨年同時期は、ゾルミトリプタンは1週間に2回、ロキソプロフェンは雨が降るたびに1日1〜2回内服していた。〈第5診/X年9月〉21週後。ゾルミトリプタンは6週間で3回、ロキソプロフェンは1回内服した。以後も五苓散の内服を継続している。
【考察】日本人の約6割が「気象病」と称される、気圧の低下による頭痛、関節痛、倦怠感、抑うつ気分などの体調不良を自覚していると言われており、その中でも頭痛・痛みは「天気痛」と呼ばれることがある。五苓散は傷寒論を出典とする代表的な利水剤で、本症例のように水毒を伴う「気象病・天気痛」の患者の中には本処方が有効な場合がある。
また、月に10日以上のトリプタン製剤の使用は、薬剤使用過多による頭痛の診断基準の一つを満たすが、本症例は、以前は梅雨や台風などの季節にはゾルミトリプタンを頻用していたため、薬剤使用過多による頭痛が混在していた可能性がある。その使用頻度が減ったことで、頭痛が改善したことも考えられた。
【結語】「気象病・天気痛」に五苓散が著効し、トリプタン製剤の使用頻度が激減した症例を経験した。
- 五苓散の魅力〜総合診療医の立場から〜, 石田亮子, 中国地区 Kampo Short Lecture 〜総合内科編〜, 2022年07月28日, 招待, 日本語, 株式会社ツムラ
- 漢方ならではの問診〜未病の見つけ方〜, 石田亮子, 漢方製剤Zoom説明会7月 Special Lecture, 2021年07月20日, 招待, 日本語, 株式会社ツムラ, オンライン
- 花粉症に伴う嗄声に桔梗石膏が速やかに著効した一例, 石田亮子 武生英一郎, 第47回日本東洋医学会中四国支部広島県部会, 2021年05月09日, 通常, 日本語, 日本東洋医学会中四国支部広島県部会, 広島, 「花粉症に伴う嗄声に桔梗石膏が速やかに著効した一例」
【症例】63歳 女性
【主訴】嗄声
【現病歴】X-4年10月 稲刈りをした後、呼吸困難を伴う喘鳴発作が起こり、その後しばらくしてひどい嗄声を来たした。アレルギー検査で、スギ、ヒノキ、イネ科が陽性だった。西洋薬による加療を受け、嗄声は数週間で改善した。
その後は春と秋の年2回、軽度の花粉症(鼻汁、くしゃみ)があり、小青竜湯、麦門冬湯が有効だった。
X-1年10月14日、花粉症様症状を発症(鼻水、咽頭痛、喀痰、咳嗽)。
抗菌薬、ステロイド、抗プラスミン薬、NSAIDs、小青竜湯で治療を開始され、翌日咽頭痛は改善したが、嗄声を来たした。2週間後、嗄声の程度は改善したがまだ続いており、麦門冬湯を処方され、約3週間後にようやく嗄声が消失した。
X年2月15日、咽頭痛、咳嗽があり、抗菌薬、ステロイド、抗プラスミン薬、NSAIDs、麦門冬湯を処方された。2月19日、咽頭痛は改善したが、嗄声を来たしたため、当科外来を受診した。
【臨床経過】抗ヒスタミン剤を開始したが効果なく、2月22日、桔梗石膏を開始したところ、内服開始3日後には嗄声が改善し、5日後には完全に消失した。
【現症】
脈:中
舌:淡紅色、うすい白苔あり、亀裂あり、歯痕なし
腹部:軟、臍上悸なし、胸脇苦満なし、心下痞なし、小腹不仁なし、圧痛なし、腓腹筋圧痛なし
【考察】本症例で用いたコタロー桔梗石膏6.0g中には、桔梗 3.0g、石膏 10.0gが含まれる。桔梗は排膿作用、石膏は清熱作用が特徴で、化膿性扁桃炎や上気道炎などによる咽頭痛に用いられることが多い。本邦で桔梗石膏が嗄声に奏効したという報告は、検索し得た限り他に一例のみであった。
急性嗄声の主な原因疾患は、アレルギー(アナフィラキシー)、急性上気道炎、気道内異物、突然の大声、咽喉頭逆流、急性喉頭蓋炎、大動脈解離などである。本症例は、花粉症に伴う嗄声であり、アレルギー反応で声帯粘膜が浮腫んで嗄声を来たしていたことが推測される。
【結論】花粉症に伴う嗄声に対し、桔梗石膏が速やかに著効した一例を報告した。
- 症例から学ぶ「糖尿病診療ノウハウ」3 総合診療医の立場から, 広島プライマリ・ケアセミナー, 2017年09月, 招待, 日本語, 田辺三菱製薬株式会社, 広島
- 糖尿病治療薬による肝障害の改善効果, 第14回 日本病院総合診療医学会, 2017年03月, 通常, 日本語, 日本病院総合診療医学会, 岡山
- 肝・膵疾患における糖尿病治療薬の選択〜SGLT2阻害薬の可能性を考える〜, Diabetes Forum 2017 in General Medicine, 2017年03月, 招待, 日本語, 田辺三菱製薬株式会社 第一三共株式会社, 広島
- 半年間持続した腹痛の一例, 第2回 総合診療セミナー, 2016年12月, 通常, 日本語, 広島大学病院 総合内科・総合診療科, 広島
- 仕事と子供のある生活〜院内たんぽぽ保育園の経験を中心として〜, 医学生・研修医等をサポートするための会, 2016年11月, 招待, 日本語, 一般社団法人 広島県医師会, 広島
- 糖尿病合併肝胆膵疾患に対するDPP-4阻害薬の影響〜代謝性指標改善効果について〜, 第104回 日本消化器病学会中国地方支部例会, 2015年12月, 通常, 日本語, 日本消化器病学会中国地方支部, 岡山
外部資金
競争的資金等の採択状況
- 一般財団法人緑風会教育研究奨励賞(若手研究者助成金), 2016年06月, 2017年03月