古川 昌文Masafumi Furukawa
Last Updated :2024/12/02
- 所属・職名
- 大学院人間社会科学研究科 助教
- メールアドレス
- mfurukawhiroshima-u.ac.jp
教育活動
授業担当
- 2024年, 教養教育, セメスター(前期), ベーシック・ドイツ語I
- 2024年, 教養教育, セメスター(前期), ベーシック・ドイツ語II
- 2024年, 教養教育, 1ターム, 教養ゼミ
- 2024年, 学部専門, 3ターム, ドイツ文学語学入門
- 2024年, 学部専門, 3ターム, ドイツ文学講義
- 2024年, 学部専門, セメスター(後期), ドイツ短編演習B
- 2024年, 学部専門, セメスター(前期), ドイツ文学基礎演習A
- 2024年, 学部専門, セメスター(前期), ドイツ文学理論演習
- 2024年, 学部専門, セメスター(前期), 卒業論文指導A
- 2024年, 学部専門, セメスター(後期), 卒業論文指導B
- 2024年, 学部専門, セメスター(後期), 卒業論文
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, 1ターム, 人間社会科学特別講義
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, 4ターム, 人間社会科学特別講義
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, 1ターム, 人間社会科学特別講義
- 2024年, 博士課程・博士課程後期, セメスター(後期), プロジェクト研究
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, セメスター(前期), ドイツ近現代文学演習A
- 2024年, 修士課程・博士課程前期, セメスター(後期), ドイツ近現代文学演習B
研究活動
学術論文(★は代表的な論文)
- ヨゼフィーネとは誰か―カフカ『歌姫ヨゼフィーネ』におけるネズミ族との関係, 表現技術研究, 18号, pp. 1-10, 20230331
- 『訴訟』描かれるのは個人か社会か, カフカの長編小説, pp. 58-75, 20210507
- 真理、祈り、書くこと-カフカのテクストの構成原理, 広島大学文学部紀要, 56巻, pp. 206-225, 19960401
- 不可能性と可能性-一つの『巣穴』論, 広島ドイツ文学, 11巻, pp. 31-44, 19970401
- カフカと現象学的発想-その同質性と異質性,「思い違い」を手掛りに, ドイツ文学論集, 26号, pp. 57-65, 19930401
- ショッケンとユダヤ亡命文学(1)-ザルマン・ショッケンとショッケン出版社の素描, 広島ドイツ文学, 10号, pp. 53-66, 19960401
- カフカの『巣穴』-孤独な自我の巣窟, 5号, pp. 37-49, 19870401
- カフカの入口, 7号, pp. 1-11, 19880401
- カフカと現象学的発想-その同質性と異質性、「思い違い」を手掛かりに, 26号, pp. 57-65, 19930401
- ショッケンとユダヤ亡命文学(1) - ザルマン・ショッケンとショッケン出版社の素描, 10号, pp. 53-66, 19960401
- ★, 真理、祈り、書くこと - カフカのテクストの構成原理, 56巻, pp. 206-225, 19960401
- 不可能性と可能性----一つの『巣穴』論, 11号, pp. 31-44, 19970401
- ★, 反転する現実-カフカにおける喩えの機能をめぐる一試論, 32号, pp. 11-20, 19990401
- 消えゆく「私」-カフカ『判決』再読, 15号, pp. 33-48, 20010401
- 「現実」描出の方法論-カフカにおける直接体験とその再現, 広島ドイツ文学, 17号, pp. 119-128, 20030731
- 「卑しい下層」のカフカ, 広島ドイツ文学, 20号, pp. 45-56, 20060601
- 第一次世界大戦と言語危機-ホーフマンスタール、カフカ、ヴィトゲンシュタインの事例から, 表現技術研究, 4号, pp. 9-22, 20080301
- 「書くこと」の断罪-カフカ『流刑地にて』の自己言及性, 表現技術研究, 6号, 20100301
- ★, 『流刑地にて』-書くことの断罪-, 『カフカ中期作品論集』, pp. 26-43, 20110701
- 『田舎医者』-夢の技法-, 『カフカ中期作品論集』(同学社), pp. 93-117, 20110701
- ★, 『歌姫ヨゼフィーネあるいはねずみ族』―歌のない絶唱, カフカ後期作品論集, 201601
- カフカと小山田浩子, 表現技術研究, 13号, pp. 65-76, 20190331
- カフカの『流刑地にて』における予言構造, 表現技術研究, 16号, pp. 17-26, 20210331
著書等出版物
- 2021年05月07日, カフカの長編小説, インプレスR&D, 2021年, 5, 単行本(学術書), 共著, 有村隆広/上江健治/木田綾子/小松紀子/佐々木博康/下園りさ/西島義憲/野口広明/林嵜伸二/古川昌文/村上浩明, 9784802092623, 268, 58-75
- 2011年07月, カフカ中期作品論集(Interpretationen zu Werken der mittleren Schaffensperiode Franz Kakfas), 同学社, 2011年, 07, 単行本(学術書), 編著, 9784810202281, 404
- 2008年03月, カフカ初期作品論集, 同学社, 2008年, 03, 単行本(学術書), 共著
- 2016年01月30日, カフカ後期作品論集, 単行本(学術書), 共著
招待講演、口頭・ポスター発表等
- カフカはナチズムを予言したか―長篇『訴訟』をめぐって, 古川昌文, 日本独文学会中国四国支部研究発表会, 2019年11月09日, 通常, 日本語, 日本独文学会中国四国支部, 高知大学, 主人公ヨーゼフ・Кの不可解な逮捕から処刑に至る過程を描いたフランツ・カフカの未完長篇『訴訟』(Der Proceß)はこれまで多種多様な解釈を生んできたが、その一つに、作品の中に全体主義権力による個人の圧殺を見て取ろうとする方向の解釈がある。ナチズムをはじめとする全体主義がヨーロッパを揺るがしたのはカフカの死後のことであるから、そうした解釈は作品に一種の「予言」を見出していることになろう。リッチー・ロバートソンは、文字通りの「予言」などはありえないことを前提としながらも、旧ソビエト時代に『訴訟』が地下出版されたとき、これをスターリン時代の恐怖政治を描いたとする読み方がなされたことなどを例に挙げて、「予言」という読み方を戯言として退けるのではなく、そうした読み方を可能にする作品の構造を明らかにしようとした。そして、家族、学校、精神病院、監獄等の閉鎖空間がもつ暴力性と『訴訟』でヨーゼフ・Кが裁判組織によって受ける暴力性との間に類似性があることを見出す。ロバートソンによれば、カフカは未来を見たのではなく「現在」を正確に見抜いていたのだ。
本発表では、ロバートソンの議論から出発し、彼の見方とは別の、「予言」という読み方を可能にする構造が『訴訟』にあることを提示した。ゾーケルらが指摘してきたように、ヨーゼフ・Кと裁判所組織との間には、前者の存在それ自体が後者を召喚しているという不可分の結託関係が認められる。これを一歩進めると、Kは一方的な被害者ではなく、K自身が自らも気づかないでいるもう一人の自分(裁判所組織)を呼び出し、自らを逮捕・処刑させているのである。このダイナミズムは意識と無意識との葛藤というミクロの事象であることを超えて、近代社会の「表」をなす近代性と「裏」に隠された前近代性との葛藤というマクロの水準につながっている。『訴訟』執筆を中断して書かれた短篇『流刑地にて』は、すでに命脈が尽きたかにみえる前近代的システムが近代の中に蘇るという作品末尾の「予言」によって、『訴訟』のもつ社会的次元を暗示していると考えることができる。Кの処刑とは、Кの意識を形作る近代性がКの無意識へと排除された前近代性によって復讐されることを意味する。この構図は20世紀の近代システムの中に前近代的なものが大衆の熱狂に支えられて全体主義/恐怖政治の姿をとって立ち現われたことと相似形をなす。ミクロ(個人)とマクロ(社会)とのこの同一構造こそが『訴訟』をナチズムやスターリニズムなどの全体主義到来の「予言」として読むことを可能にしているのである。
- カフカの『ヨゼフィーネ』論, 古川昌文, カフカ研究会, 2014年09月04日, 通常, 日本語, 佐々木博康, 大分県別府市, 本発表はカフカ後期作品研究プロジェクトの一つとして行った。発表では、『歌姫ヨゼフィーネあるいはねずみ族』に関して、作品全体がカフカとカフカの意識内におけるユダヤ民族との関係を表現しているという解釈を提示した。
- 小山田浩子のカフカ受容, 古川昌文, 広島独文学会, 2014年03月22日, 通常, 日本語, 広島独文学会, 広島県東広島市, 日本におけるカフカ受容の一例として芥川賞作家小山田浩子を取り上げ、内容的影響とは別に、カフカの「書き方」をめぐる言説の影響(メタ・テクストレベルの影響)が見られることを示した。
- カフカ『訴訟』の多重性と予言構造, 古川昌文, カフカ研究会, 2015年08月31日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 愛媛県大洲市, カフカ『訴訟』の前半部について、語りの構造と描かれる内容が多重化されていること、そしてこの多重性が現実世界の多重性とオーバーラップして一種の予言的性格を持つに至っていることを論じた。
- カフカ『訴訟』の聖堂場面について, 古川昌文, カフカ研究会, 2016年03月29日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 広島県福山市, カフカの『訴訟』の聖堂場面に関する武田智孝の解釈を紹介し、問題点を整理して議論に付した。
- 『訴訟』の予言的性格について, 古川昌文, カフカ研究会, 2016年09月07日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 福岡県北九州市, カフカ作品の予言性をめぐるリッチー・ロバートソンの解釈を『訴訟』に即して批判的に検討し、ロバートソンの議論に欠けている作品の極私的側面を重視することによって「個」と「社会」との連続性を作品に読みとることができることを示した。
- 「カフカの書き方」をめぐって, カフカ研究会, 2017年03月27日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 大分大学
- 『訴訟』―二重性と予言性, カフカ研究会, 2018年09月06日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 新居浜市
- 『訴訟』-描かれるのは個人か社会か, カフカ研究会, 2019年03月28日, 通常, 日本語, カフカ研究会, 北九州市
社会活動
委員会等委員歴
- 編集長, 2019年04月, 2020年03月, 広島独文学会
- 非常勤講師, 2016年04月, 2017年03月, 広島市立大学
- 非常勤講師, 2015年04月, 2016年03月, 広島市立大学
- 非常勤講師, 2014年04月, 2015年03月, 広島市立大学
- 編集委員, 2013年11月, 2016年10月, 日本独文学会中国四国支部
- 非常勤講師, 2013年04月, 2014年03月, 広島市立大学
- 編集委員長, 2007年09月, 2021年03月, 広島独文学会
学術会議等の主催
- 広島独文学会, 編集長, 2020年03月, 2020年03月
- 広島独文学会, 編集長, 2020年07月, 2020年07月
- カフカ研究会, 大会実行委員長, 1995年
- カフカ研究会, 大会実行委員長, 1999年
- カフカ研究会, 大会実行委員長, 1997年
- カフカ研究会, 研究会幹事, 2016年03月, 2016年03月
- 広島独文学会総会・研究発表会, 編集委員長, 2015年10月, 2015年10月